いばらき食品リサイクル研究会のご案内

 

1.設立趣旨

平成13年施行の「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)」では、

食品循環資源の有効利用や、食品廃棄物の抑制を図ることが謳われており、全国的な取り組みが

始まっています。茨城県では、生活系・事業系の厨芥類が年間55万t(一人当り140kg)

発生するという推計(新エネルギー開発機構による)がありますが、その多くは焼却されており、

リサイクルの余地が多く残されています。

食品循環資源は生物由来の資源(バイオマス)であり、「メタン化」や「油脂製品化」などによる

エネルギー利用は、石油を代替するとともに地球温暖化の抑制にも寄与します。一方、エネルギー

利用には穀物が大量に利用され始めているため、用途的な競合関係にある穀物飼料の価格高騰も

予想されます。そこで、穀物飼料の代替品を食品循環資源から生産する「飼料化」が期待されます。

リサイクルには「肥料化」も含まれます。堆肥活用による環境保全型農業が実施され、

有機・無農薬作物が供給されれば、環境志向・健康志向の需要にも対応可能となります。さらに、

これらが相伴って食育へも寄与します。以上の取り組みを通じてブランドが形成されれば、

地域振興にも結びつきます。また、リサイクル自体が環境ビジネスとして成功し効率化が進めば、

廃棄物管理コストが低減される可能性もあります。今、食品循環資源のリサイクル自体が企業の

社会的責任となる時代が到来しています。

今、食品関連の分野では、地域メリットをいかに引き出すかが一つのテーマとなっています。

この地域メリットとは、食品循環資源のリサイクルによる「環境に配慮した地域」のブランド化や

イメージなどを指します。また、先に述べたように、リサイクルが促進されて効率が良くなれば、

個々の事業者にとっても廃棄物管理コストが削減されるというメリットがもたらされる可能性があります。

ここで、食品循環資源のリサイクルを推進するためには、関係者(排出事業者、処理事業者、農家等)

がもれなく集う「場」を持ち、相互に知恵を出し合うことが必要です。このような背景から、

国立環境研究所循環型社会・廃棄物研究センター副センター長井上雄三は、茨城県を対象として

リサイクル推進のための場づくりを提案しました。茨城県は、食品関連事業や畜産が非常に盛んであり、

今後さらに食品循環資源のリサイクルが求められています。このような地域で、実際の関係者が

集まって知恵を出し合いリサイク ルが推進できれば、地域社会にとっても大きな前進となるはずです。

これをうけて、平成19年度から「いばらき食品リサイクル研究会」の設立を目指して準備会が

動きだしました。同研究会は、茨城県内の産学官市民の個人・企業・団体・機関の方々で構成され、

食品循環資源を中心としたバイオマスのリサイクル推進のための情報交換や具体策の検討を行います。

検討に当たっては北海道等、実際の地域における様々な成功事例を参考にします。また、

飼料化などのリサイクル産業創出等も検討していきます。

同研究会の大きな目的は「食品循環資源のリサイクル推進と茨城県の地域振興」ですが、

各主体で個別の目的を持ってもかまいません。すなわち、図1にあるような「廃棄物管理コスト削減」や

「飼料コスト削減」、あるいは「自然志向の消費者に向けた作物・食品づくり」を目的としても良いわけです。

 

 


2. いばらき食品リサイクル研究会 運営方針

1. 会員

(1)会員は民間の個人、企業、団体、機関を主な対象とし、随時参加を呼びかける。

(2)オブザーバ会員は情報共有を求める行政機関などを対象とし、随時参加を呼びかける。

2. 活動

(1)食品循環資源のリサイクルに関する情報交換

分科会活動における会員間の情報交換、リーダー会議における分科会間の情報交換、

総会における会員間の情報交換

(2)食品循環資源のリサイクルに関する企画立案

       分科会活動およびリーダー会議による技術講演会や見学会などの企画立案

(3)食品循環資源のリサイクルの事業立上

       分科会活動におけるビジネスモデルの検討と事業化に向けての体制整備を介した事業立上

(4)食育・食の安全・地域振興・環境保全に関する学習・普及・啓発

分科会活動およびリーダー会議における食育・食の安全・地域振興・環境保全に関する

考え方の整理と情報発信

3. 事務

(1)事務局は会員が担当する。

 

 


3.組織と人員構成

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


<設立準備会のメンバー>

設立準備会(五十音順)

茨城県商工労働部いばらきサロン(オブザーバー)/茨城県生活協同組合連合会/

株式会社カスミ/株式会社日水コン/境エコ・ポーク有限責任事業組合 石綿弘/

筑波バイオ・エコシステム協同組合 安田忠司/

独立行政法人国立環境研究所 井上雄三,稲葉陸太/

農事組合法人百姓倶楽部 石濱寛徳/有限会社久慈ピッグファーム 鈴木一美


 

 

4.いばらき食品リサイクル研究会2007年度活動予定

 

今年度は、下記の日程での活動を予定しております。

 

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

セミナー・講演会

 

 

 

 

 

バイオ燃料化

 

 

 

 

 

堆肥化

 

 

飼料化

 

 

 

 

 

食育・食の安全

 

 

 

 

 

消費・流通

 

 

 

 

 

 

各分科会の定例会では、

1.    各分野に沿った施設見学や勉強会

2.    会員間の情報交換

3.    試験事業の計画・実行

などを、計画しております。